2013/6/2 15:00~16:15 東海大学高輪キャンパス
名古屋学芸大学 管理栄養学部 准教授 藤木理代先生の
競技パフォーマンス向上における遺伝的素因を栄養の相互作用について
~運動の適正を決める遺伝子とは、体質に合った食べ方とは~
というセミナーを受けて来ました。
なんと言っても 「レプチン」です。
レプチンは脂肪細胞によって作られ、血液を通じて脳へ信号を運び、食欲を制御
交感神経活動を促しエネルギー消費量を増やし、肥満の抑制する働きのあるホルモンです。
レプチンレセプターの働きが弱くなる遺伝子異常があるとレプチンが脳に来ても信号をキャッチ出来ないので
食欲を抑える事・代謝を上げる事が出来ないそうです。
このような遺伝子異常を持っている方にお勧めのダイエットは
・サラダなどを先に食べる。
胃の内容量で満腹感を得られます。
・時間をかけてゆっくり食べる。
視床下部の満腹中枢に血糖値の上昇が伝えられる事で満腹感が得られますが15分程時間がかかるそうなので
早食い禁物です。
・積極的に運動する。
有酸素運動をすることでカロリーと脂肪を消費する事が出来ます。
ダイエットを希望される方に一般的に有酸素運動を勧めますが
β3AR遺伝子異常があると運動による脂肪の減少効果が低い方もいるそうです。
頑張って有酸素運動をしても脂肪を分解することは少なく、筋肉・肝臓に蓄えられているグリコーゲン(糖質)や
筋肉自体(たんぱく質)を分解してエネルギーとしてしまうので、体重が痩せても筋肉が減って太りやすい体質になってしまう
可能性もあります。
このような方に効果的なダイエットは筋肉量を増やして、基礎代謝を上げる事が効果があるようです。
筋肉をつけたいと希望される方には10RM (10回やっと出来る重さ)でトレーニング処方をしたりしますが
B2アドレナリンレセプターの働きが強い人は
筋肉での糖質消費能力が高い為、運動後速やかに糖質の補給を行わないと筋肉が分解され、
筋肉量が増加しにくくなるそうです。
スポーツクラブ勤務時代、
筋トレをして基礎代謝を上げメリハリのある身体を作り、
有酸素運動をして脂肪を減らし、
食事をコントロールしましょうと会員さんに指導していましたが、結果のしっかり出る方と微妙と言う方がいました。
遺伝的な事が分かるようになってきた現在では体質的に向き・不向きがあるという事がわかってきました。
乳がん・子宮がんの遺伝子診断が話題になっていますが、ダイエットも最先端は遺伝子診断後の運動処方という時代です。
非常に勉強になりました。